第1講:2/15(水)

アメリカ文学① 担当:園部

「エドガー・アラン・ポーという作家」

 

 アメリカ人作家と聞いた時、皆さんは誰を想像するでしょうか。フィッツ・ジェラルド、アーネスト・ヘミングウェイの名が挙がる人はもしかしたら、いわゆる「失われた世代」の作家が好きなのかもしれません。エズラ・パウンドやE・E・カミングスの名が挙がってきたら、その方は「失われた世代」の詩に興味を持った人でしょう。いやいや、レイモンド・カーヴァー、トルーマン・カポーティ、J・D・サリンジャーでしょう、と言い出す方は、村上春樹の翻訳本を読んだりしたのかもしれません。いや、『ティファニーで朝食を』のオードリー・ヘップバーンからなんていう人もいるかもしれません。ちょっと、変態好きな人は、トマス・ピンチョンの名前が挙がってくるかもしれません。存命のこの覆面作家を読んでいる人は、かなりの変人です。ピンチョンが上がれば、スティーヴ・エリクソンの名前が挙がることでしょう。いやいや、スティーヴン・キングを忘れてはなりません。『シャイニング』の鮮烈さは今も忘れられない、という方もおられるはず。女性作家を忘れていませんか?という声が聞こえてきそうですね。アメリカはまた、女性作家の作品の桜花があります。エミリー・ディキンソン、シルヴィア・プラス、エイドリアン・リッチ、ハーパー・リー、トニ・モリソン、挙げればきりがありません。彼女たちは黒人差別、そしてフェミニズム運動などと絡み合いながら、もう一つのアメリカ文学の底流を形作ってきました。

 その中で、今回ご紹介したいのは、エドガー・アラン・ポーという作家です。シャルル・ボードレールが熱狂した男であり、ステファン・マラルメが研究した男であり、アルフレッド・ヒッチコックが愛好した作家であり、日本では、江戸川乱歩の名の元ネタになり、谷崎潤一郎の初期作品との関連も見いだせるポー。時に、推理小説の父と呼ばれる彼ですが、エドガー・アラン・ポーとはいったいどのような作家なのでしょうか。今回は、彼の人生から、それを概観していきたいと思います。

 

第2講:2/16(木)

日本史① 担当:金澤

「日本史への招待」

 

「日本史をやっています」と言うと、皆さんはどんな行為を想像するでしょうか? あるいは「日本史」と聞いたとき、どんなイメージを持つでしょう?

「過去は変わらないのに、いったい何を新発見するの?」

「昔のことを、いったいどうやって研究するの?」

そんな、なぜ・なに・どうやって? に、お答えしようと思います。

素材は最近大河でホットだった鎌倉幕府。これまでの鎌倉幕府に関する研究の流れを追いながら、「鎌倉幕府」という変わらない事実に対する「研究」の「何が」変わったのか見てみましょう。

もちろん、中学・高校で日本史を履修していなくても大丈夫。お気軽にご参加ください!

 

第3講:2/17(金)

アメリカ文学② 担当:園部

「エドガー・アラン・ポーの詩的世界」

 

 第2講は、エドガー・アラン・ポーという作家の作品を具体的に見ていきたいと思います。扱うのは2つの詩作品、The Raven『大鴉』とAnnabel Lee『アナベル・リー』です。なんで小説じゃないの?と思われる方もいるかもしれません。  これは第一には、私の関心がポーの詩に向いているからではあります。いわゆる、専門であるからです。ただ、同時に、彼と詩との繋がりは、実際ポーを研究する上で、無視することが出来ない部分があります。彼の詩論やいくつかの詩は、小説と同等か、小説以上に様々な批評が施されてきた分野です。そもそも、彼の文学的なキャリアは、詩人から始まっています。小説を書くようになったのも、詩のような高尚なものを、アメリカの読者が理解できないからだと、現実的な理由をポーは上げたりしています。  ポーは、短編作家として(あるいはマガジニストとして)最高の作家の一人です。ただ今回は、あえて、あまり日の目を見ないポーの詩を通して、ポーと言う作家の一面を見ていきたいと思います。そして、同時に、詩を分析することがどのようなことであるかを、皆さんに紹介したいと思います。

 

第4講:2/20(月)

日本史② 担当:金澤

「作り話が語る日本史」

 

 

 第1講では、日本史が「書かれたもの」すなわち、史料を用いて過去の出来事に迫る学問だということを確認しました。

でも、その「書かれたもの」の中にウソが混じっていたら? あるいは、「ウソのことが書かれた史料」には、何の価値もないのでしょうか?

 第2講では、日本史屋さんがどのようにして「ウソ」と向き合ってきたかを、実際の古文書をひもときながら考えていこうと思います。荒唐無稽にも思える作り話こそが語る、本当の歴史の姿、まさしく「ウソから出たまこと」を紐解いてみましょう!

 

第5講:2/21(火)

「分野横断ディスカッション」

 

アメリカ文学を専門にする大学院生と、日本史を専門にする大学院生が、それぞれの視点から学問についてディスカッションします。

 

フロアからの参加も大歓迎! お気軽にご参加ください