生物多様性と進化について2

担当:亀岡(分類多様性学)

概要

 第二回では、第一回で講義を行った生物多様性が生じる機構や、進化の基礎的な概念について復習を行うと共に、それでは実際の研究ではどのように生物の進化の痕跡を探っているのが、具体的な研究例を踏まえながら話を進める。

 

 現存する生物の形質や遺伝子から過去の進化の軌跡、そして未来の進化の道筋を予測する面白さを少しでもお伝えすることができれば幸いである。

講義を終えて

  今回は前回の講義のおさらいをしつつ、食虫植物という非常にキャッチーな材料を用いた論文を用いて、講義をしました。全体的にオーディエンスの理解がはやく、非常に進行しやすく助けられました。

 論文の目的を示し、仮説を立てる問題を一例出しましたが、事前に与えるべき情報に不足があり、少し消化不良になった学生さんがいたのではないかと思います。

 また、どのようにデータを取るのか、解析するのかの方法については説明すると長くなると考え消去しましたが、後の質問で回収できるくらいに小出しにしておいてもよかったかもしれません。

アシスタントコメント

 私が感じた亀岡さんの講義の独自性をあえて二点に絞るならば、主に生徒を巻き込む力と、本格的な内容をわかりやすく伝えられているという点になります。

  一点目の生徒を巻き込む力は、授業を受けていた学部生たちが、亀岡さん自身の明るい語り口調につられるようにして自分の意見を積極的に語っていた様子から感じたものです。なかなか学部生が積極的に自分の意見を(とくに自身の専門でない分野において)発することは躊躇われる行為でしょうが、亀岡さんのテンションによってそれが可能になっていました。後ろから見ていて、本当に稀に見るような、学部生たちのポテンシャルが最大限に発揮された講義だと感じました。

 二点目の内容をわかりやすく伝える点については、本格的な論文の序盤を、スライドや考える時間をうまく使って生徒たちに理解させられていたように感じました。このような論文に触れられる講義を一回生の時に受けていれば、三回生の時にゼミなどへ入りやすくなると思います。

  改善点を挙げるとすれば、講義後にでも手元にスライドをコピーしたレジュメを配れば、参考文献などを帰宅した後に見返すことができますし、そのような配慮も必要かと感じます。しかし全体的に自身の学問とともに生徒への目配りが多分に効いていた講義でした。

 

三宅(国文学)