海洋生物の自然史ー生物の多様性と様々な共生系1ー

担当:山守(海洋生物自然史学)

概要

海洋には様々な門の動物が生息しています。生涯岩に固着して濾過食などで餌をとる動物、自らの力では殆ど泳がずに海流に身を任せて漂う動物、地形を改変して自ら巣穴を作る動物、そして、それらの動物やその巣穴を住処として巧みに利用する動物。

 

この講義では、海に生息する様々な動物門を数々の驚きの生態や形態とともに紹介します。そして、それらの生物が時として互いを利用し、また時として互いに手を取り合って生きて行く様を見ていきます。

講義を終えて

オリエンテーションの時は聴講生の学生さんたちが皆文系だったので、興味を持っていただけるかどうか不安でした。ですが、皆とてもしっかりとお話を聞いてくれて、投げかけた質問にも答えていただけたのでとても嬉しかったです。いただいた感想はとても励みになりました。ご助言も、今後の講義やプレゼンで活かしていきたいと思います。

 

生物たちは絶えず人の生活に関わっていて、人の活動のひとつひとつが生物に影響を与えていきます。私がご紹介できるのはほんの少しですが、講義を通して少しでも生物に興味を持ってもらえたらとても嬉しいです。

 

次回の講義では、人と生物の関わりにも焦点を当てていきたいと思います。今回いただいたフィードバックも反映させていきますので、また聞いていただけましたら幸いです。

よろしくお願いします。

アシスタントコメント

講師自身の「生き物」に対する情熱がありありと伝わる講義で,多くの受講者が惹き込まれていたのが印象的だった。講義後のフリートークでも,質問やディスカッションが絶えなかった。また,講義スタイルもかなり確立されていて,院生メンバーにとっても得るものは多かったようだ。

 

講義の導入部分で,山守さんは自身の研究を引き合いに出しながら,自然史研究の基本的なプロセスについて概説していた。これは簡単なようで,意外と難しいと思う。なぜなら,自身の個別の研究を,自然史研究というひとつの大きなディシプリンのなかに位置づけなおす作業が必要になるからだ。このような作業を通して,自身の研究をメタな視点から眺め相対化することが可能になると思われるが,当の本人はそのようなことは意識していなかったという。センスや才能のなせる技かもしれないが,この作業を当人が意識化することこそ,「総人のミカタ」で講義することのひとつの意義だと感じた。

 

次回の講義も非常に待ち遠しいが,その前に,来月は福田さん(人類学),山守さん(生物学)のディスカッションの会が予定されている。「フィールド」を巡って自身の研究を2人がどのように語るのか,今から楽しみでならない。

 

萩原(発達科学・リハビリテーション)