担当:伊縫(解析学)
この講義ではフラクタルと呼ばれる図形についてお話しようと思います.
そもそもフラクタルという言葉は30~40年前に誕生した言葉で, 厳密な言葉の定義はありません.
しかしフラクタル図形は徐々に重要性が認識され始め, 今でも研究されている対象です.
数学的な立場においても, やはり重要性が認識されてきています.
今回はフラクタルの数学的なモデルとして有名なSierpinski gasket(シェルピンスキーのガスケット)を例に数学的な性質を調べます. そして時間があれば, なぜをそのような性質持つのかを説明をしようと思います.
より具体的には次の4ステップに分けてでお話をしようと思っています.
1. マンデルブローによるフラクタルの提唱
2. Sierpinski gasket(シェルピンスキーのガスケット)について
3. 面積が0含まれる長さの合計は∞の計算
4. 3. の結果が得られる説明
まず講義をやってみて, 前回よりも聴講者が増えていて良かったです.
また授業の最後にも, いろいろな質問が来たりフリートークが盛んになっていてよかったです.
今回は自分の専門分野である「フラクタル」について話しました.
この専門分野は一つ一つ細かく説明しようと思うとかなり煩雑になるため,
図やイメージを中心用いた授業を構成して60分でボンヤリとでも分かってもらえるように話しました.
ただ, イメージや説明を簡略化したために, かえってややこしいところがあったかなと思います.
自分の力不足のため, このようになってしまい申し訳ありません.
ところで今回授業をしていて, 「仮定していること(前提としていること)」が多いなと自分が感じました.
つまり「そのまま聞いていると納得できるが, 掘り下げてみると(必ずしも正しいとは限らない)気になるところがある」ということです.
もし今回の授業を聞いて, 気になること(もやもやすること)があればいろいろと調べてほしいです.
(前回と同じことを言っていますが...)
そして「なるほど!」と納得してもらい, フラクタルがおもしろいものと思っていただけたら幸いです.
最後になりましたが, 講義を聞いてくださった皆様ありがとうございました.
対数のたの字も忘れた文系院生の私にも面白く聞かせて頂きました。フラクタルを提唱したMandelbrotから丁寧に学説を説明されたこと、受講者みずから図形を描き「手を動かす」講義にされたこと、レジュメを読み上げず受講者との対話の中でお話されたこと、などが今回の講義が成功した理由として挙げられます。大学1・2回生にも程よい質と量の内容でした。ところで、吉田南構内では「フラクタル日よけ」「シェルピンスキーの森」が知られますが、思わぬ形で応用されるフラクタルにはまだまだ議論を展開する余地がありそうです。総人のミカタとしても異分野との接点になる論題としてまたお話をうかがいたいと思います。
村上(歴史学・日本中世史)