禁忌と両義性の人類学

担当:福田(文化人類学)

概要

些細なものから重大なものまで、世界には数多くの「禁忌(タブー)」があります。

あなたの身の回りには、どんな禁忌(タブー)がありますか? 

 

これまで文化人類学では、禁忌は格好の研究対象となってきました。「未開」の社会のみならず、「文明」的な社会にあっても数多くの禁忌は存在し、新しく生まれ続けています。ことに食や性の禁忌は、今なお大きな関心をもって迎えられています。

なぜ、どのようにして禁忌は生まれるのか、また、禁忌をやぶるとどうなるのか、などと考えることは、その文化を知る格好の材料となります。

「綺麗は汚い、汚いは綺麗」。この『マクベス』の一節には、「両義性」が見て取れます。この両義性が禁忌の謎を解くカギとなります。

 

今回の講義では、「禁忌」と「両義性」をキーワードに、いくつかの事例を紹介して、古典的な人類学的もののミカタの一端をご紹介します。みなさんと一緒に、タブーの背景には何があるのかを考えてみたいと思います。

講義を終えて

「禁忌と両義性の人類学」というテーマにしたが、なぜそのテーマにしたのかという説明が抜けており、目的や帰結点の見えにくい発表であったかもしれない。

この点について説明をしておくと、私は学部の卒論で友引禁忌(友引の日に葬儀をしない習慣)について書き、今は沖縄の米軍基地との境界にある黙認耕作地について興味を持っている。

そうした禁忌や境界への関心もあってこのテーマでの発表に至った。

主に象徴人類学を中心にまとめたが、内容面ではやや盛り込みすぎの感があり、どこが重要なところかを精査できていなかったように思う。

次回以降はアウトラインを明確にし、メリハリのある発表を目指したい。

 

また、ゼミ発表と同様の感覚で用語をそのまま説明なく使ってしまったり、用語選びに慎重さを欠いている部分があったりすることに気づかされた。

作成時に注意をするほか、用語・人名一覧やレジュメをプリントして配布するなどの工夫をしたい。

技術面に関しては、人前で話すことに慣れておらず心配であったが、いざやってみると自分が思ったよりも声は出た。

早口である、スライドを送るのが早すぎるという点など、いただいたご指摘は反省し、次に生かしたい。

アシスタントコメント

2018年度、総人のミカタが始まって初回の講義だった。1,2回目は、学部生との交流に時間を割いたのだが、そのときと比べても人数が倍ぐらい多かったので、「文化人類学」(あるいはミカタの講義全般?)への関心の高さが伺える。

 

講義は個人的にも勉強になったし、講義検討会での福田さんとのやりとりもとても刺激的だった。「難しい」けれど「理解できた」という感想の学部生が多かった印象がある。単位の出ない講義に来ているのだから、これほどなく意欲があり、知識水準も高いという例外的な状況であることは踏まえた方がいいだろうと思う。

踏まえた方がいいのだけれど、何か自分の知らないが魅力的な世界がそこにあって、何か楽しそうに熱量をもって研究しているらしい姿勢は、最も大切な学問への触媒だという意を強くした。この講義にはそれがあった。

 

検討会の最後に、「入門書や概説書を読めば済ませられるような内容を反復するのでは、総人のミカタで院生が講義しているという利点が活きない」という趣旨の意見が出た。これは、今回の講義には当たらないだろうが、気をつけた方がいいことだろうと思った。