第3回 ことばを理解するとはどういうことなのか

担当:岡久太郎

概要

「ビール」

このことばの意味が分かるかと聞かれれば、日本人の大学生であれば、

ほとんどの人がその意味を答えられると思います。

辞書を見れば、「麦芽を原料として…」等といった説明があり、

その文章が「ビール」ということばの意味であるとほとんどの人が考えます。

しかし、例えば、食卓で父親が空のグラスを手にして、

母親に向かって「ビール」と言葉を発した場面を見て、

この言葉の意味は何だと聞かれたら、

先に挙げた「麦芽を原料として…」といった辞書的な説明ではなく、

「父親が母親にビールを注ぐよう求めている」等といった

説明をする人が大多数だと思います。

このように、日常におけることばの理解とは、

単に使用されている単語の意味を知っているか、

それらを組み合わせて文の意味が取れるかといったレベルだけではなく、

話し手/書き手はどのような意図でそのことばを発しているのか

といった理解まで含意されることがほとんどです。

 

本講義では、

言語学的な視点からこのようなことばの理解の諸相について考えていきたいと思います。