菌類を生態学する

概要

 第一回の講義では、菌類という生物の基礎について学びました。第二回の講義では、それを踏まえ、菌類の生態学研究についてお話ししたいと思います。
 生態学は自然界での生物の生き方や、環境との関連を扱う学問です。例えば、きのこの色や毒にどんな意義があるのかを調べるのは生態学の仕事です。また、生物の群集や分布を調べるのも生態学です。これらのテーマは一見すぐに答えが出そうにも思えますが、実はまだ研究途中のテーマです。これらのテーマへの答えがなかなか出ない理由の一つに、菌類のユニークな生き方が挙げられます。菌類には個体という概念がなかったり、普段基質の中で生活しており肉眼で姿を確認できなかったりするため、動物や植物で発展してきた手法を直接当てはめられない場面が多々あります。
 今回の講義では、まず生態学とはどのような分野なのかを簡単に紹介し、菌類を対象とした生態学研究の例に触れることで、菌類という生物のユニークさを実感したいと思います。