社会保障政策と価値

概要

 1回目の講義では、公共政策を考えるうえで、なぜ価値の側面に注目する必要があるかについて考えました。2回目の講義では、焦点をもう少し絞って、特定の政策領域における価値の対立を考えてみたいと思います。取り上げるのは、社会保障政策です。
 社会保障政策は、公共政策の中でも、価値の対立が議論の焦点になりやすい政策領域です。政治理論においてもこれまで盛んに論じられてきました。
 その社会保障政策における重要な論点として、社会保障政策はどの程度労働と結びついたものであるべきか、という問いがあります。つまり、福祉を受けることと働くことは、なるべくセットにして考えようという主張と、福祉と労働は切り離すべきだと考える主張の対立があるのです。
この対立を価値の観点から考えてみると、驚くほど多様な論点が浮かび上がります。2回目の講義ではベーシック・インカムという政策アイデアを切り口に、社会保障政策における価値の対立の諸相にアプローチします。